■第3分科会 講評 古藤 学(コープさっぽろ)
  サントリーフーズさんでは目標数字がはっきり出ていたのが良かったと思っています。ライフさんの近畿圏数字をいくらいくら改善するぞというのは、目標がないとなかなか改善できないのでここをしっかりとらえているのは非常に良かったと思います。あと現状分析のところでカテゴリー分析などをやっていましたが、もう1点付け加えていただければ面白かったなという点でいうと、価格の弾力性というのはどれくらいあるのかなという点でいうと、もうちょっと違う視点が見られたのかなという点で、属性をどういうふうに決めるのかという点でもう少し検討すれば良かったのかなと感じました。
  明治屋さんの3年間同じテーマをやり続けるという姿勢には頭が下がります。実は明治屋さんは問屋さんですからいろいろなことをやりたいはずなんですが、とにかくこれをやり続けるというのは担当者の方の辛抱強さというのは並大抵ではないなと思いました。その中でスキッピーの納品形態を変えたという話ですが、これはすごいですよね。それともう1点、明治屋さんで良かったのは、現場に行ってパートさんの意見を聞いているということです。これはなかなかできないことなんですが、やはりデータだけでは分からないことというのがけっこうありますので、迷ったら現場に行ってマネージャーに聞く、パートさんに聞くというのは一番の解決方法だと思います。
  次に亀田製菓さんなんですが、定番の効率を追究するというのはチェーンの課題です。ただこの提案でいくと次のロッテさんとはまるで正反対で、コープこうべさんの商品部はいいのでしょうが、コープさっぽろの商品部はダメだなと思いました。なぜかというと各バイヤーがかなりのカテゴリーを持っているものですから、ペースパターンをいっぱい作るということがこの後の作業に有効なのかなという部分で私自身が分からないところがありますので、ぜひこの後の結果を亀田さんとコープこうべさんには教えていただきたいと思います。
  ロッテさんですが、ロッテさんは自社の売り込む商品をしっかり売るぞという部分での提案をしていました。要はロッテさんのメインのガムの商材をきちんと確保すれば年間の数字を確保できるということをロッテさんは分かっていますので、ここの分析をしっかりやっている部分では、以降もよろしくお願いしたいと思っています。
  最後にネスレさんなんですが、実はネスレさんの提案というのはバイヤーの大機能そのものです。インスタントコーヒーカテゴリーというのは嗜好飲料すべてを分析してもらって、「セールはこうやって打てばいい」、「●●はこうやって打てばいい」とバイヤーの仕事もすべてやってもらっているので、コープさっぽろとしても非常に助かっているという中身です。


■第3分科会 講評 根本 重之(拓殖大学)
  まずサントリーフーズさんですが、非常にパワフルなご報告でした。カテゴリーについてきちんとクロスセクションの分析をされた上で、自分たちのチャンスを見つけてチラシ展開していく。その時にお店をチェックして、チラシと売り場がちゃんと連動していないと売れませんよというようなオペレーショナルな提案があったことは非常に勉強になりました。
  2つめの明治屋さんですが、非常に勉強になった教育的なプレゼンテーションでした。ご自身が初めて勉強されたことを後から来る人のためにまとめておこうというような事がありました。それは組織の力を高めていくと思うのです。MD研究会は企業のためにやるんですが、それがその企業全体のベースをアップさせることにつながっていけばいいなと思います。
  亀田製菓さんは若々しい力のある分析だったと思います。ここでは消費者を若い30代ともう少し上の50代に分けまして、年代によって日本の伝統的な菓子である米菓に対する需要が違うということに注目されたわけです。ここには消費者が登場してきますから、だいぶ話にもリアリティーがでてきます。そして若い人向けの品揃え、少し年をとった人向けの品揃えといったことから失敗もされながら、そこから学びながらロールアウトされていったというところがよかったと考えています。
  次にロッテさんは非常に賢明だったと思います。それはロッテさんのご報告にも一つ特徴があります。マクロの動きである環境問題にレジ袋を無くしていくという小売り側の展開に対して、メーカーとしても何らかの強力参画をしてみようという意図をお持ちでした。こういう形でマクロをつかまえていく、それで実際に売り場でやってみたわけですが、このことが必ずしもうまくはいかなかったということを謙虚に受け止められて行った姿勢は非常に良かったと思います。
  最後にネスレさんですが非常に広範な分析をされていました。ただこの中に1社だけFSPデータの話が出てきていました。やはりここには非常に大きな可能性があるように思います。エクセラとゴールドブレンドはカニバラナイということです。カミバラナイ率が非常に高かったわけです。もう一つはチラシユーザーと沿道で買う人たちも違うんだということであれば、チラシと沿道という非常に重要な販促手段でありながら、どうしても合併症状を起こしてしまうようなところを別けて使っていくことができるだろうというところで、FSPデータの可能性というのを非常に強く感じました。そして大変貴重な勉強をさせていただいたことをお礼申し上げたいと思います。
  最後に4つほどの私の思いなんですが、1つめは理由をもう少し分析していただきたいということです。なぜそうなのかということをなるべく突き詰めて、そして最後に分からないところはデータから離れて現場能力で突っこんでいたらいいと思うのです。なぜという理由が分かると、そのケースから知見が抽出できます。知見が抽出できると横展開ができます。 2点めは“時を味方に”というようなことをいつも申し上げているんですが、なかなか競争が厳しくて味方がいないんですが、今なぜそれをするのかということをはっきり分かるという企画はウケルと思うんです。 3点めはコスト削減提案がいろいろな形で出てきていました。先程一つのケースの紹介があったわけですが、ちょっと市場の潮目が変わりましたので、今は相当コスト競争力がないと勝っていけない状況になってきているのが現状です。これからは一歩進んで、こうすればコストが下がって、さらにこうすれば売れるよといった2段階の提案というのを考えてみていただきたいと思います。 そういうところでコスト削減についても、もう少し思い切って提案していただいて、発注頻度はもう少し下げてもいいかもしれません。あるいは消費期限問題などに本格的にメーカーとコープさっぽろで取り組んで、全国に先駆けたケースを作って行ったいいかもしれません。そういった本質的な流通改革、あるいは取り引きの変革の部分にも一歩突っ込んで行っていただきたいという気がします。
  4つめは、プライベートブランドを取り入れた分析にも思い切って入っていってほしいと思います。小売業にとってプライベートブランドは重要です。それをどう売って、どうナショナルブランドと調和させていくのかということは、避けて通らない方がいいと思います。 最後にこれは非常に大きな印象なんですが、マーケティングのローカライゼーションが進んでいるということです。メーカーの営業というのはマーケティングのローカライズしなくてはいけないのですが、小売業というのはどこにでもある商品も含めて、小売業のMDというのは商品のローカライゼーションなわけです。メーカーサイドとしてはぜひ商品のローカライゼーションを進めてほしいのです。というのもメーカーが本社の官僚だけで考えていると間違えますから、ローカルなマーケットの状況は非常に違うわけですから、そこにジャストフィットしていくということを営業マンと小売業がこういう形でやってきているわけです。 もうひと言だけ言わせてください。途中で時を味方にということを申し上げたんですが、たとえばコープさっぽろを例にとると、あまり人のいないところに出ていくとか、環境問題に徹底的に取り組むとか、動物園で白クマをサポートするだとか、とどっくで夜に持って行くとか、いろいろなことをやっていますが、そういった動きの中でもう一度、顧客を徹底的にレビューしていって、メーカーの支社長やメーカーのスタッフは何をするのかということを考えてもらいたいのです。えています。