■第6分科会 講評 上田 隆穂(学習院大学)
まずコカコーラですが面白い分析だと思いました。特にロスの解析という点に目をつけられていて、私もどちらかというと利益を出す分析を中心に考えていましたが、やはりロスをカットすることは車の両輪かなと思いましたので、面白かったです。最初は白ネギでの分析、あとは特にならない分析ということで品切れの分析にニューラルネットワークを使われたということで仲間ができたかなという気がしました。ただ品切れの分析に用いたデータなんですが、品切れのないデータを使った分析をする必要があるなと考えました。そうするとここでインスパイヤーされたのは、品切れの起こらないモデル店舗というのを一つつくるべきではないかと思いました。それから特にならない値引き、特売ロスについてなんですが、これは私もつくづく感じていたことは、私は特売というのは反対なんですが、ウェアアウト効果で効果切れというのがあるんです。これに関しては私もあまり分析していないんですが、特に規模の小さい店舗でウェアアウト=効果切れは起こりやすいのではないかと思うのです。これは支持人口が少ないので、やはり早く効果切れが起きてくるのではないかと思いましたので、このへんの分析をされているのも面白いと思いました。あと浅い値引きのところでこれはあまり聞かないよというのがありましたが、やはりこれは先程私が申し上げましたグーテンベルグ仮説の価格を動かしても売り上げがあまり変化しない領域に入っているのではないかという気がしています。ですから朝に少しお話した移動平均型の価格弾力性の計算で感度チェックを同時にされると合わせワザで非常に面白い気がしています。
次にナシオさんですが、分析検証は不十分という反省から入られたのは非常に偉いなと思いました。宅配に関する基礎データベースを作られているということでしたが、これもすごい努力をされていて面白かったです。時間の節約のみではなく、分析効果というのも非常に高くなってくるのではと思いました。他のデータとの重ね合わせというのが可能になって面白いと思いました。それからチラシの一情報ですが、これもZの法則というのがあって面白いと思いました。あとキャッチコピーのところで、コンテンツをどのようにつくるかということで大きな問題だと思います。やはり仮説をどこから取り出すか、おそらく深層心理から取り出して来ると効果的なのかなと思いました。そして実際の店舗でいろいろ実験するのは大変なので、チラシの上でいろいろな実験ができるのではないかということを強く感じました。
次にポイントプラスさんですが、地域での分析で競合店のチラシが自分の店舗にどれくらい影響を及ぼすかという分析が面白いなと思いました。そして行事との連動性の分析もありましたが、特売ではないときのチラシの効果などについてもどんどんやられて、提案型の効果というのを探ると面白いと思います。広域性になるとPOSデータとどのように連動させるのかということも課題になってくるのではと思いました。それで、たとえばPOSがない場合でも地域単位での競争分析ができるのが面白いかなと思ったのです。価格競争の激しい地域、あまり価格競争がない地域など、なぜ価格競争が起こるのか、もっと大事なのは価格競争が起こらない地域があるとすればそれはなぜなのかという理由を調べ出すということが非常に面白と思いました。
4番めのアジェントリクス・エービーさんですが、非常に国際性豊かな発表で面白かったです。ここの電子商談システムなんですが、この話を聞いていて一つ思い浮かんだのは、実は日経ビジネスオンラインの方でここのナカトメさんという記者さんと一緒に連載をしているんですが、そのうちの一つに農産物販売所の瑞穂という小さな人気市場があるんです。ここの特徴は後から参加する農家は、すでに入っている農家と同じ価格か、またはそれ以上の価格を付けなくてはいけないという規則があるんです。そうすると条件を設定して価格を下げるというコストカットが当然重要なんですが、ものによっては価格を一定として品質競争を起こすような入札、つまり品質入札を行っても面白いのではと思うのです。サプライヤーを集めるのに世界を相手にする利点も非常にいいなと思うのです。
最後のアイディーズさんのFSPデータの話ですが、これは驚くほどの軽快さという感じがしたので、ぜひ使ってみたいデータだなと思いました。FSPのデータというのはかなり役に立つのですが、たとえばロイヤルヘビーユーザーの場合、2種類あるんですが、特売があろうがなかろうが来たときの価格で買うロイヤルヘビーユーザー、そして価格が安いと買いだめをして次の購買をとばすロイヤルヘビーユーザーもいます。つまりこれは特売は全く無駄だよということを表す例なんですが、こういうような多様な分析が可能になるわけです。ですからいかに仮説を導くかということが重要かということを感じました。それから会報誌ですが、これも非常に面白いと思うんです。小売りの次世代フォーマット、ライフバリュークリエーションの話を朝にもちょっとしましたが、それが非常に使えそうな気がするんです。特にITを使わないシニアへのメディアとしては非常に有効そうだと感じました。
全体に共通してですが、日本にPOSが導入されたのは1980年代ですが、それから25年以上経ちましたが隔世の感があるなと思いました。これだけ情報インフラが進化したんだなと非常に驚きをもって今日みなさんの発表を聞かせていただきました。それだけに仮説の重要性というのを再確認しまして、やはり生活者に関連の深いような、家族社会学や社会心理学などの広い視点から仮説を取り込んでいくのが重要かなと感じました。
まずコカコーラですが面白い分析だと思いました。特にロスの解析という点に目をつけられていて、私もどちらかというと利益を出す分析を中心に考えていましたが、やはりロスをカットすることは車の両輪かなと思いましたので、面白かったです。最初は白ネギでの分析、あとは特にならない分析ということで品切れの分析にニューラルネットワークを使われたということで仲間ができたかなという気がしました。ただ品切れの分析に用いたデータなんですが、品切れのないデータを使った分析をする必要があるなと考えました。そうするとここでインスパイヤーされたのは、品切れの起こらないモデル店舗というのを一つつくるべきではないかと思いました。それから特にならない値引き、特売ロスについてなんですが、これは私もつくづく感じていたことは、私は特売というのは反対なんですが、ウェアアウト効果で効果切れというのがあるんです。これに関しては私もあまり分析していないんですが、特に規模の小さい店舗でウェアアウト=効果切れは起こりやすいのではないかと思うのです。これは支持人口が少ないので、やはり早く効果切れが起きてくるのではないかと思いましたので、このへんの分析をされているのも面白いと思いました。あと浅い値引きのところでこれはあまり聞かないよというのがありましたが、やはりこれは先程私が申し上げましたグーテンベルグ仮説の価格を動かしても売り上げがあまり変化しない領域に入っているのではないかという気がしています。ですから朝に少しお話した移動平均型の価格弾力性の計算で感度チェックを同時にされると合わせワザで非常に面白い気がしています。
次にナシオさんですが、分析検証は不十分という反省から入られたのは非常に偉いなと思いました。宅配に関する基礎データベースを作られているということでしたが、これもすごい努力をされていて面白かったです。時間の節約のみではなく、分析効果というのも非常に高くなってくるのではと思いました。他のデータとの重ね合わせというのが可能になって面白いと思いました。それからチラシの一情報ですが、これもZの法則というのがあって面白いと思いました。あとキャッチコピーのところで、コンテンツをどのようにつくるかということで大きな問題だと思います。やはり仮説をどこから取り出すか、おそらく深層心理から取り出して来ると効果的なのかなと思いました。そして実際の店舗でいろいろ実験するのは大変なので、チラシの上でいろいろな実験ができるのではないかということを強く感じました。
次にポイントプラスさんですが、地域での分析で競合店のチラシが自分の店舗にどれくらい影響を及ぼすかという分析が面白いなと思いました。そして行事との連動性の分析もありましたが、特売ではないときのチラシの効果などについてもどんどんやられて、提案型の効果というのを探ると面白いと思います。広域性になるとPOSデータとどのように連動させるのかということも課題になってくるのではと思いました。それで、たとえばPOSがない場合でも地域単位での競争分析ができるのが面白いかなと思ったのです。価格競争の激しい地域、あまり価格競争がない地域など、なぜ価格競争が起こるのか、もっと大事なのは価格競争が起こらない地域があるとすればそれはなぜなのかという理由を調べ出すということが非常に面白と思いました。
4番めのアジェントリクス・エービーさんですが、非常に国際性豊かな発表で面白かったです。ここの電子商談システムなんですが、この話を聞いていて一つ思い浮かんだのは、実は日経ビジネスオンラインの方でここのナカトメさんという記者さんと一緒に連載をしているんですが、そのうちの一つに農産物販売所の瑞穂という小さな人気市場があるんです。ここの特徴は後から参加する農家は、すでに入っている農家と同じ価格か、またはそれ以上の価格を付けなくてはいけないという規則があるんです。そうすると条件を設定して価格を下げるというコストカットが当然重要なんですが、ものによっては価格を一定として品質競争を起こすような入札、つまり品質入札を行っても面白いのではと思うのです。サプライヤーを集めるのに世界を相手にする利点も非常にいいなと思うのです。
最後のアイディーズさんのFSPデータの話ですが、これは驚くほどの軽快さという感じがしたので、ぜひ使ってみたいデータだなと思いました。FSPのデータというのはかなり役に立つのですが、たとえばロイヤルヘビーユーザーの場合、2種類あるんですが、特売があろうがなかろうが来たときの価格で買うロイヤルヘビーユーザー、そして価格が安いと買いだめをして次の購買をとばすロイヤルヘビーユーザーもいます。つまりこれは特売は全く無駄だよということを表す例なんですが、こういうような多様な分析が可能になるわけです。ですからいかに仮説を導くかということが重要かということを感じました。それから会報誌ですが、これも非常に面白いと思うんです。小売りの次世代フォーマット、ライフバリュークリエーションの話を朝にもちょっとしましたが、それが非常に使えそうな気がするんです。特にITを使わないシニアへのメディアとしては非常に有効そうだと感じました。
全体に共通してですが、日本にPOSが導入されたのは1980年代ですが、それから25年以上経ちましたが隔世の感があるなと思いました。これだけ情報インフラが進化したんだなと非常に驚きをもって今日みなさんの発表を聞かせていただきました。それだけに仮説の重要性というのを再確認しまして、やはり生活者に関連の深いような、家族社会学や社会心理学などの広い視点から仮説を取り込んでいくのが重要かなと感じました。
■第6分科会 講評 大見 英明(コープさっぽろ)
実践的な立場から少し講評をさせていただきます。日本コカコーラさんは4年前からコープさっぽろとお付き合いをいただいていまして、実はPOS情報について日本コカコーラの東京でそれぞれの日本語を全て英訳に直していただいて、これをアメリカのコカコーラの子会社だと思いますが大陸カンダン機動計算をするようなデーターベンチャーという会社に行って、そこでベロシティ販売速度分析からOS分析を行って、そこにおける人間型作業のあり方問題まで実はPOSは見えてしまうのです。これをまた日本に戻ってきて日本語訳にされて私どもに提案をいただいているという関係性が3年位続いています。ここまでPOS情報の分析レベルが、コンピュータでいうと非常に大きなマシーンを使ってまわされていると思うのですが、そういうことが実はPOSで分かってしまうということが現実で起こっています。たとえば飲料カテゴリーの売れるものがお盆をピークに変わるわけですが、3年前の夏のピークのときに棚割変更をするかしないかという判断をコカコーラさんに出させていただいたんですが、このときは7月の最終週と8月の1週と2週の間ですが、そこで単体の飲料カテゴリーのチラシを入れると売り上げが間違いなく上がります。スペース変更は必要ありませんという結論でして、実際に実行しましたら130%売り上げがあがるという世界であります。そういった意味で言うと、データ分析のレベルの高さで分かる事実をものにすることができる環境にきていると思います。その好例がコカコーラさんの教訓であります。そのときに日本のPOSデータのレベルはどうなんだということが一方で試されているということもあると思っています。
もう1点はナシオさんの宅配の事例ですが、これは冒頭に中野社長からもあったように、いわゆるインターネットを含めた通販は8兆円という話があります。日本で一番先行している宅配事業には生協の宅配がありまして、全国に1兆6千億を展開しているわけです。これは紙面に52回出て行くわけでして、組合員さんにとってみればその一品一品の整合性が本当に最適化されているのかということは、実はなかなか検証できなかったという世界なのです。これは紙面ですが1週間に何個売れたのかという情報ですが、これに実は一情報を付けて、なおかつそこにキャッチコピーだとか文言を付けてというデータをひも付けしましてデータベース化しますと、どういうことで売れたのか、売れなかったのかデータの蓄積量が増えるほど分かってくるという世界であります。ですから実際に商品が届くわけではありませんので、消費者は紙面上で判断をするわけですが、バーチャルな世界の紙面情報をどうやって科学的に構築していくのかという取り組みがナシオさんで始まったんだなと思っています。キャッチコピーを変えただけで売り上げが3倍も変わるということが紙面情報の世界にはあります。これは上田先生の言葉でいうと、心の琴線に触れるという話になってくると思うのです。ここの部分も紙面というバーチャルな世界でのビジュアル世界の中にどうやって落とし込んでいくのかということが、POS情報の延長線上の中にあるということなのです。
もう1つはポイントプラスさんの話ですが、ネスレさんの話がすでに事例として出ていましたが、チェーンにしてみると特売でお客さんの目を引かなくてはいけない目玉商品というのがあります。それを赤目玉の商品というんですが、それが北海道においてはアークスグループとコープさっぽろがドンバチをやっているわけです。そうすると私どものPOS情報がどういう外部環境で影響を受けたかということを考えたときに、やはり正面の敵であるアークスさんの販促がどうであったかという事実が分からないと、単純にPOSだけを読んでいても断定できないわけです。そこでポイントプラスさんに全国のチェーンのセール情報を集約いただているということなのです。その中でどういう実践をしているのかというと、アークスグループのセール販促と私どものセール販促を住み分けた場合と、重ねた場合と価格帯をどれだけずらした場合とやったときに、どれくらいの効果があるのかということが実は分かってきています。ですからメーカーさんの立場からいうと価格は下げれば下げるほど際限がありませんので有効かどうかという疑問が出てきています。ここの最適をどううまくやり抜けるのかという話まで、このことを通してできるということが現実にあります。そのときにセール情報が共通インフラとして見られる環境にあるかないかということが、POS分析の一つの競争関係上の前提になってきているということです。
次にアジェントリクス・エービーさんの話ですが、これは参加したみなさんには少し唐突だったのではないかと思いますが、POS情報を開示するということの先に何があるのかというと、チェーン側からいうと調達の世界であります。数量が見えるから、どれくらいの条件で、どれくらいの物量を、どれくらいのサイズを用意すれば調達できるのかということがオープン型になってしまったという話です。電子調達の世界のプラットホームは世界で事実上一つになったということなのです。そうすると日本の小売業の中で流通の系列化というのが行われてきました。いわゆる小さいチェーンがボランタリーとして集まって、なおかつ共同仕入れ機構をつくるということが、たとえば日本における日流グループであり、CGCグループであり、生協グループであるというように3兆円前後のグループ系列化があるわけです。ところが今日お話があった電子商談のプラットホームというのは資本の関係性とか、会費の関係性が一切ありません。そこでたとえば私どもがライフさんと手を組んで、この商品の調達をやろうと言ったときに、実は共同調達ができてしまうという世界がすでにあるという話です。そういった意味で言うと今の電子環境も含めて、調達のプラットホームがここまできますと、今後の調達の有り様もPOS情報の開示に合わせて大きく変わらざるをえない局面にきているのではないかと思います。メーカーさん、中間卸売業者はどう対処するのかということが逆に求められているということが、今は大きな問題にはなってはいませんが、間もなくその問題をどうクリアするのかということが大きな課題として目の前にあるという話なのです。日本の流通の再編は間違いなく、こういったことを通して価値が変わっていくというふうに実は確信をしているということです。
最後にアイディーズさんですが、POS情報とアイディーズキーPOSの関係において、何が分かったのかという話です。今までできなかった小売業の側からいいますと、セグメントされた対象に対してプロモーションを打つことが可能になったという話です。マスでチラシをうつということから、ダイレクトメール等を含めた目に見えない世界の中で個別一を対象とした顧客を狙って、そこにどう的確にプロモーションを打つかということが始まっているわけです。そういった中で社会の中で消費が大きく変わってきていて、なおかつ高齢者と若年層の消費の在り方に相違があるといった中でのいわゆる店舗売り場をいじらなくても、顧客対応マーケティングはできるということの暗示をしておりまして、そういった意味では販促の在り方が実際の店頭上では見えない中で動いていくということが起こっているという話であります。そういう意味ではバーチャルな中でクロスマーチャンダイジングもできてしまうという話でして、日本のリテールサポートの世界におけるマーケティングの考え方がこういった事例の中からも、大きく変わらざるをえないということが分かるのではないかと思っています。
実践的な立場から少し講評をさせていただきます。日本コカコーラさんは4年前からコープさっぽろとお付き合いをいただいていまして、実はPOS情報について日本コカコーラの東京でそれぞれの日本語を全て英訳に直していただいて、これをアメリカのコカコーラの子会社だと思いますが大陸カンダン機動計算をするようなデーターベンチャーという会社に行って、そこでベロシティ販売速度分析からOS分析を行って、そこにおける人間型作業のあり方問題まで実はPOSは見えてしまうのです。これをまた日本に戻ってきて日本語訳にされて私どもに提案をいただいているという関係性が3年位続いています。ここまでPOS情報の分析レベルが、コンピュータでいうと非常に大きなマシーンを使ってまわされていると思うのですが、そういうことが実はPOSで分かってしまうということが現実で起こっています。たとえば飲料カテゴリーの売れるものがお盆をピークに変わるわけですが、3年前の夏のピークのときに棚割変更をするかしないかという判断をコカコーラさんに出させていただいたんですが、このときは7月の最終週と8月の1週と2週の間ですが、そこで単体の飲料カテゴリーのチラシを入れると売り上げが間違いなく上がります。スペース変更は必要ありませんという結論でして、実際に実行しましたら130%売り上げがあがるという世界であります。そういった意味で言うと、データ分析のレベルの高さで分かる事実をものにすることができる環境にきていると思います。その好例がコカコーラさんの教訓であります。そのときに日本のPOSデータのレベルはどうなんだということが一方で試されているということもあると思っています。
もう1点はナシオさんの宅配の事例ですが、これは冒頭に中野社長からもあったように、いわゆるインターネットを含めた通販は8兆円という話があります。日本で一番先行している宅配事業には生協の宅配がありまして、全国に1兆6千億を展開しているわけです。これは紙面に52回出て行くわけでして、組合員さんにとってみればその一品一品の整合性が本当に最適化されているのかということは、実はなかなか検証できなかったという世界なのです。これは紙面ですが1週間に何個売れたのかという情報ですが、これに実は一情報を付けて、なおかつそこにキャッチコピーだとか文言を付けてというデータをひも付けしましてデータベース化しますと、どういうことで売れたのか、売れなかったのかデータの蓄積量が増えるほど分かってくるという世界であります。ですから実際に商品が届くわけではありませんので、消費者は紙面上で判断をするわけですが、バーチャルな世界の紙面情報をどうやって科学的に構築していくのかという取り組みがナシオさんで始まったんだなと思っています。キャッチコピーを変えただけで売り上げが3倍も変わるということが紙面情報の世界にはあります。これは上田先生の言葉でいうと、心の琴線に触れるという話になってくると思うのです。ここの部分も紙面というバーチャルな世界でのビジュアル世界の中にどうやって落とし込んでいくのかということが、POS情報の延長線上の中にあるということなのです。
もう1つはポイントプラスさんの話ですが、ネスレさんの話がすでに事例として出ていましたが、チェーンにしてみると特売でお客さんの目を引かなくてはいけない目玉商品というのがあります。それを赤目玉の商品というんですが、それが北海道においてはアークスグループとコープさっぽろがドンバチをやっているわけです。そうすると私どものPOS情報がどういう外部環境で影響を受けたかということを考えたときに、やはり正面の敵であるアークスさんの販促がどうであったかという事実が分からないと、単純にPOSだけを読んでいても断定できないわけです。そこでポイントプラスさんに全国のチェーンのセール情報を集約いただているということなのです。その中でどういう実践をしているのかというと、アークスグループのセール販促と私どものセール販促を住み分けた場合と、重ねた場合と価格帯をどれだけずらした場合とやったときに、どれくらいの効果があるのかということが実は分かってきています。ですからメーカーさんの立場からいうと価格は下げれば下げるほど際限がありませんので有効かどうかという疑問が出てきています。ここの最適をどううまくやり抜けるのかという話まで、このことを通してできるということが現実にあります。そのときにセール情報が共通インフラとして見られる環境にあるかないかということが、POS分析の一つの競争関係上の前提になってきているということです。
次にアジェントリクス・エービーさんの話ですが、これは参加したみなさんには少し唐突だったのではないかと思いますが、POS情報を開示するということの先に何があるのかというと、チェーン側からいうと調達の世界であります。数量が見えるから、どれくらいの条件で、どれくらいの物量を、どれくらいのサイズを用意すれば調達できるのかということがオープン型になってしまったという話です。電子調達の世界のプラットホームは世界で事実上一つになったということなのです。そうすると日本の小売業の中で流通の系列化というのが行われてきました。いわゆる小さいチェーンがボランタリーとして集まって、なおかつ共同仕入れ機構をつくるということが、たとえば日本における日流グループであり、CGCグループであり、生協グループであるというように3兆円前後のグループ系列化があるわけです。ところが今日お話があった電子商談のプラットホームというのは資本の関係性とか、会費の関係性が一切ありません。そこでたとえば私どもがライフさんと手を組んで、この商品の調達をやろうと言ったときに、実は共同調達ができてしまうという世界がすでにあるという話です。そういった意味で言うと今の電子環境も含めて、調達のプラットホームがここまできますと、今後の調達の有り様もPOS情報の開示に合わせて大きく変わらざるをえない局面にきているのではないかと思います。メーカーさん、中間卸売業者はどう対処するのかということが逆に求められているということが、今は大きな問題にはなってはいませんが、間もなくその問題をどうクリアするのかということが大きな課題として目の前にあるという話なのです。日本の流通の再編は間違いなく、こういったことを通して価値が変わっていくというふうに実は確信をしているということです。
最後にアイディーズさんですが、POS情報とアイディーズキーPOSの関係において、何が分かったのかという話です。今までできなかった小売業の側からいいますと、セグメントされた対象に対してプロモーションを打つことが可能になったという話です。マスでチラシをうつということから、ダイレクトメール等を含めた目に見えない世界の中で個別一を対象とした顧客を狙って、そこにどう的確にプロモーションを打つかということが始まっているわけです。そういった中で社会の中で消費が大きく変わってきていて、なおかつ高齢者と若年層の消費の在り方に相違があるといった中でのいわゆる店舗売り場をいじらなくても、顧客対応マーケティングはできるということの暗示をしておりまして、そういった意味では販促の在り方が実際の店頭上では見えない中で動いていくということが起こっているという話であります。そういう意味ではバーチャルな中でクロスマーチャンダイジングもできてしまうという話でして、日本のリテールサポートの世界におけるマーケティングの考え方がこういった事例の中からも、大きく変わらざるをえないということが分かるのではないかと思っています。
